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チオの日記

1人で静かに暮らしています。

書き直された作文

人生

ふいに小学2年生の3学期にあった出来事を思い出しました。

 

国語の授業だったか何だったかは忘れましたが、「1年間で最も思い出に残っていること」をテーマに作文を書くことになったのです。そこで僕は、「1人で高速バスに乗って祖父母の家へ行った」ことを書くことに決めました。当時の僕にとってそれは大冒険でした。いつもは親の運転する車に揺られて訪れていた祖父母の家に1人で行くなんて、とてもワクワクする出来事だったのです。バスに乗っていた約1時間の間に自分が何を思っていたかは覚えていませんが、祖父母の家への最寄りのバス停でバスを降り、そこまで迎えに来てくれていた祖母の姿を見た瞬間に得た達成感と安堵感が綯い交ぜになったような感情は、今でも鮮やかに思い出されます。

 

作文って何をどう書けばよいのか分からなくて苦手意識が強かった小学2年生の僕ですが、「書きたい!」と強く思えるテーマを見つけたこのときは、珍しくスラスラと書くことができました。そして、その自信作を先生に提出したのですが、僕の書いた作文を一瞥した先生が放ったのは予想だにしない言葉でした。

 

「チオくんは妹が生まれたことを書かなきゃダメでしょ」

 

この言葉に対して当時の僕は何も言い返せませんでした。「大人の言うことは絶対」だと思い込んでいた僕は先生の言う通り、妹が生まれたことを題材にして作文を書き直しました。

 

確かに、小学2年生の夏、長いこと一人っ子だった僕に8歳年下の妹ができたのは事実です。でも、それって自分の力は何も関与していない。親が勝手にやったことで自分は何も頑張っていない。だけど、1人で祖父母の家に行ったことは自分の力でやり遂げたものであり、僕の中ではとても大きな価値を持っていたのです。作文を再提出させられたことは、当時の僕にとって自分の頑張りを否定されたに等しく、とても悲しかったです。

 

――そんな小学2年生の頃の出来事を回想しつつ、「小学2年生って何年前だっけ?」とふと思ったのですが、もう20年も前なのですね。もうそんなに経つのか……。

 

とりあえず、当時の自分にアドバイスするとしたら、「大人の言うことは絶対じゃない。自分を信じろ」ってことでしょうかね。大学生くらいになって少し視野が広がってから気づいたのですが、大人って案外大したことないんですよね。中高生の頃から中身はそんなに変わってないんじゃねえの? っていう感じの人が多いように思います。まぁ、もちろんそれは自分自身にも言えることなんですけど。