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チオの日記

1人で静かに暮らしています。

ラノベの枠を超えた名作かもしれない「給食争奪戦」

とあるきっかけから「給食争奪戦」というライトノベルを購入しました。

 

給食争奪戦 (電撃文庫)

給食争奪戦 (電撃文庫)

 

 

かつてはライトノベルを一心不乱に読みまくっていた僕も、最近ではすっかり読まなくなってしまい、今数えてみたら2014年はまだ11冊しか読んでいないようです。そんな状態なので、以前から継続して読んでいる作品(あるいはよく知っている作者の新シリーズ)以外を買うのはとても久しぶりでした。しかし、この「給食争奪戦」、読んでみたら非常に面白かったのです。いい意味でライトノベルっぽくない作品なので、普段ライトノベルを読まない人にもお勧めできます。

 

読む前は知らなかったのですが、この作品は、

・給食争奪戦

・消しゴムバトル

・万引き競争

・転校少女

・学園祭を台無しにしたのは誰だ

という5つの短編で1冊が構成されています。

 

この5つの短編のうち、最後の1つ以外の舞台は、とある小学校の第6学年(「給食争奪戦」の時点ではまだ5年生)です。「学園祭を台無しにしたのは誰だ」だけは、その小学生達が成長し高校生になった時の話となっています。

 

この作品は、短編ごとに主人公が変わります。いわゆる群像劇……というのとはちょっと違うのかな? まぁ、ともかく、ライトノベルとしては珍しい形式だと思います。電撃文庫の作品だと、「東京ヴァンパイア・ファイナンス」という作品は、複数の登場人物の視点からストーリーを描いている形式でしたね。同じ舞台の中で視点がいろいろ変わるという意味では似ています。

 

東京ヴァンパイア・ファイナンス (電撃文庫)
 

 

それはともかく、「給食争奪戦」は、小学校を舞台とした作品です。小学生+ラノベと言えば真っ先に思いつくのは「ロウきゅーぶ!」でしょうか。もう少しマイナーどころでは「小学星のプリンセス☆」も個人的には結構好きでした。

 

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

ロウきゅーぶ! (電撃文庫)

 

 

小学星のプリンセス☆ (集英社スーパーダッシュ文庫)

小学星のプリンセス☆ (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

 

「給食争奪戦」の面白いところは、これらの小学生をフィーチャーした作品とは、小学生の描き方がまるで違うというところです。「給食争奪戦」で登場する小学生はとにかくリアルなのです。普段アニメやライトノベルで見る小学生とは違う、現実にいるかのような小学生が描かれています。読み進めるうちに、自分の小学校高学年時代を思い出してなんとも懐かしい気持ちにさせられました。

 

例えば、1つ目の短編<給食争奪戦>で登場するマコトが、「白紙の冒険」という自由帳を使ったRPG的なもので遊んでいましたが、僕も小学生時代は友人達と似たようなことをよくやったものでした。あと、消しバトに近いもので「定規戦」というものが僕の小学校では流行っていました。ルールは消しバトとよく似ていて、4~6人くらいが1つの机の上に定規を並べ、自分の定規をペンで弾いて他の人の定規を机の上から落とすという遊びでした。ああ、懐かしい……。もうあれ15年も前なんだぜ(絶望)

 

僕の思い出話はさておき、小学生たちが知恵を絞りながらイジメっ子などの「敵」に向かっていくさまはとてもワクワクしますね。男の子同士の友情っていいなぁ、って思わされました。キャラ数的には男の子キャラのほうが多いのですが、女の子キャラもとても魅力的だったと思います。サワコちゃんもアキちゃんも良いのですが、僕はリサちゃんが一番のお気に入りです。僕の脳内ではリサちゃんのCVは種田梨沙ちゃんでした(^ω^)フヒヒ

 

4つ目の短編「転校少女」は、なんとも物悲しいストーリーで、救われない登場人物もいてモヤモヤしてしまったのですが、それは最後の短編への伏線だったのですね。最終的にはとても晴れやかな形で締められていて非常に読後感が良かったです。その他にも結構短編同士でリンクしている部分があって、読み進めるうちにどんどん繋がってくるのは非常に面白かったです。そして、最後は綺麗に1つに繋がって、前述のように良い締めくくりになっていたところにストーリー構成の巧さを感じました。

 

この「給食争奪戦」、掛け値なしに面白いと言えます。いろいろな人に薦めたいと思うくらい。アズミ先生の今後の作品が非常に楽しみです。

  

給食争奪戦 (電撃文庫)

給食争奪戦 (電撃文庫)